日々子どもの英語学習や国際教育を考える保護者の皆さまから相談を受ける中で、インターナショナルスクールやバカロレアに関するものも多くなってきています。
今回はインターナショナルスクールに関心のある方で、国際バカロレアプログラムについて、実際にはどのようなものなのか、具体的なイメージがもてるように、国際バカロレア(DP)を取得した先輩の話を体験記形式で紹介します。
自分の子どもの留学やインターナショナルスクール進学を検討の際に、参考にしてみてください。
シンガポールのインターナショナルスクールでの国際バカロレア体験記①
今回はシンガポールのインターナショナルスクールでDPを取得した、Hanaさんの話を聞きました。(文中に出てくるCAS,EE,TOKなどのバカロレア用語の説明は、「【子どもの国際英語教育】国際バカロレアとは何か」を参照下さい。)
バカロレアで学んだシンガポールの高校時代
私はロンドン生まれシンガポール育ちで、父がイギリス人で、母が日本人です。5歳までイギリスに住んでいました。その後東京に引っ越し、小学4年生の夏まで日本の学校に通っていました。10歳の時にシンガポールに引っ越し、Chatsworth International Schoolと言う、インターナショナルスクールに18歳まで通いました。IB受験後は、早稲田大学国際教養学部に入学しました。
シンガポールに暮らし始めた頃は、英語が話せなくて、非常に苦労しました。しかし全ての授業を英語で受けていたので、1年間で英語を身に付けることができました。IBを受講するには英語が必要なので、小学生の頃に英語を身につけられたことに感謝しています。
中学ではInternatinal General Certificate of SecondaryEducation (IGCSE)を取得し、IBに進むことができました。私の学校ではIGCSEで平均B以上を取ってなければ、IBDPを受けることができませんでした。また今では、IB Middle Years Programme(MYP)と言う、中学生のIBプログラムを受けることが義務付けられています。
私がバカロレアを選んだ理由
私の通っていたインターナショナルスクールでは、IBを受講することが義務付けられていたこともあり、将来のために色々な可能性が広がると思いました。
IBは評判の高いコースとして知られており、世界中の大学で受け入れられています。勉強への献身、多くの課外活動を完了しなければならないのですが、私は教育的な範囲だけでなく、多くの異なるスキルの取得ができると思いました。
IBでは、ボランティア活動、課外活動キャンプへの参加や、スポーツチームの一員になるなど、様々な経験をすることができます。このような必須経験は、コースが提供する素晴らしい点でもあり、大学受験を後押しするための優れた経験ができると思いました。
また、以前のIBDPの先輩から、「IBは、大学でのチャレンジをどのように、乗り越えるのかを教えてくれた」と言う話もよく聞いていました。全体的にIBは大学だけでなく、社会に対しても、知的かつ社会的に、自分の成長を裏付けてくれるのではないかと確信し、IBDPを受けることにしました。
バカロレアの生活
IBは非常に厳しく、忙しいです。なぜならば勉強だけではなく、CAS時間を完了するために、アクティビティまたはサービスに参加する必要があるためです。
IB学生の典型的な1日、私の場合は次のようでした。
<1日のスケジュール>
6:00 am 起床
7:00 am バスケットボール部の朝練 (もしくは違うスポーツ)
9:00 am – 12:00 pm 授業
12:00 pm – 1:00 pm 昼休み (通常、大学のカウンセリングやEE主任とのミーティングを行います)
1:00 pm – 3:40 pm 授業
3:40 pm – 6:00 pm バスケットボール部他校との試合 (もしくはCAS)
7:00 pm – 9:00 pm テコンドーの練習(学校外)
10:00 pm – 2:00 am 勉強
2:30 am 就寝
スケジュールは人それぞれですが、多くの学生は、上記と似たスケジュールになると思います。IB学生は、スケジュール管理が必ず必要です。私は手書きのスケジュール帳を利用していましたが、スケジュール管理アプリなど、自分にあったタイムマネジメントをするとよいと思います。
各科目のIAs (Internal Assessments)、TOK (Theory of Knowledge) エッセイとプレゼンテーション、EE (Extended Essay)、準備する科目コースのテストと試験など、スケジュール管理は非常に大切です。
IBで成功するための鍵は、持続的にメモを書き、授業中に分からない部分はとにかく、質問をしましょう。先生方はいつでも真摯に手伝ってくれます。また私のアドバイスとして、テスト前に一夜漬けなどはせずに、毎日の復習勉強方法を進めます。
第一希望の大学がすでにあるのであれば、その大学の要件を知り、目標達成に向けて、辛い受験勉強期間を乗り越えて行くことができるでしょう。
(後編の「【シンガポールのインターナショナルスクール】国際バカロレア体験記②」に続く。)