【子どもの国際英語教育】国際バカロレアとは何か

10年以上にわたり子どもの英語学習や国際教育に携わる中で、留学やインターナショナルスクール、国際バカロレアに関する相談が多くなっています。

日本でもインターナショナルスクールを中心に国際バカロレアのプログラムを導入するスクールは増えています。今回は国際バカロレアについて解説します。

 

国際バカロレア(IB)とは

国際バカロレア(IB:International Baccalaureate、以下「IB」と呼びます)は、1968年にスタートした、国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する、国際的な教育プログラムです。国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)として始まりました。

IBを取得する生徒たちは知識を高めるための向上心、倫理的な人格や粘り強い精神などを持つことが求められます。

高校で取得できるDP(Diploma Programme)は2年間のプログラムで、IBプログラムを導入する高校で16歳から19歳、高2〜高3の間で取得が可能です。

IBの理念は、より世界観、柔軟な考え方を持つため、10個の下記の「IBの学習者像」が設定されています。

プログラムの目的は「国際的な視野」

IBのねらいとして、以下のように掲げられています。

すべてのIBプログラムのねらいは、人類に共通する人間らしさと地球を共に守る責任

を認識した国際的な視野をもった人間を育てることにあります。このねらいの中心にある

のが「国際的な視野をもつ」ということです。

https://www.ibo.org/globalassets/digital-toolkit/brochures/what-is-an-ib-education-2017-jp.pdf

 

IBプログラムの全体像

IBプログラムは高校生の年齢だけでなく、PYP(Primary Years Programme)、MYP(Middle Years Programme)、DP(Diploma Programme)、IBCP(Career-related Programme)と、3歳から幅広い年齢に応じたプログラムがあります。

こちらの表が見やすくまとまっているので、参考にしてください。


IB Diploma Programme (IBDP)とIB Certificateの違い

IBには二種類の資格があり、IB Diploma Programme (IBDP)とIB Certificateに分かれています。

IBDPを終えることによって、文部科学省は「バカロレア資格」として表記しています。IB DPはThe Diploma of the International Baccalaureate” が正式名称です。

IBDPは幅広い大学受験資格が可能でありますが、IB Certificateを取得した場合、受験可能な大学が限定されます。大学受験資格という意味では、IBDPを持っていることと、大学によって求められるDPの点数が変わってきます。

国際バカロレア・IBDPの科目選択

IBDPでは、6つの教科、通常3科目(最大4科目)を上級 レベル(HL)、その他を標準レベル(SL)で履修します。

また、IB Certificateでは全6科目を標準レベルで履修します。HL科目の学習に240 時
間、SL科目の学習に 150 時間を割りあてます。

これらの科目は6つのグループから1科目ずつ選択します。
グループ1:言語と文学の研究(言語A)- Studies in Language and Literature
グループ2:第二外国語 – Language Acquisition
グループ3:人文社会系 – Individuals and Societies
グループ4:実験科学 – Sciences
グループ5:数学 – Mathematics
グループ6:芸術 – Arts

IB Diploma Programme (IBDP)の取得必要条件

IBDPは少なくとも24ポイントを獲得した学生に授与されます。各コースの取得点数は1〜7のスケールで評価されます。またボーナスポイント(コア)は、IBDPの学生に最大3点を授与され、最高45点が獲得可能です。(世界平均:29.9点)

● 最低24点を取得すること
● 3つのHL科目から最低12点を取得すること
● EEとTOKの両方の最終エッセイで合格点を取得すること
● どのレベルのどの科目でも最終成績は1では無いこと
● CASが正常に完了すること
※EE、TOK、CASについては下記で説明

国際バカロレア IBDPの「コア」

DPで学ぶすべての生徒は、プログラムモデルの「コア」を形づくる次の3つの必修要件を履修します。「知の理論」(TOK:theory of knowledge)では、クリティカルシンキングに取り組みます。

具体的な知識について学習するのではなく、知るプロセスを探究するコースです。「創造性・活動・奉仕」(CAS:creativity, action, service)は、DPの中核です。「IBの 使命」や「IBの学習者像」の倫理原則に沿って、生徒が自分自身のアイデンティティーを構築するのを後押しします。

「課題論文」(EE:extended essay)では、生徒は、関心のあるトピックの個人研究に取 り組み、研究成果を 4000 語(日本語の場合は 8000 字)の論文にまとめます。EEには、 世界を対象に学際的な研究を行う「ワールドスタディーズ」として執筆されるものも含まれます。


参考サイト:
https://www.ibo.org/programmes/diploma-programme/
https://www.ibo.org/globalassets/publications/cas-guide-jp.pdf

https://www.ibo.org/contentassets/76d2b6d4731f44ff800d0d06d371a892/what-is-an-ib-education-2017-ja.pdf
https://www.ibo.org/globalassets/publications/guide-to-universit-recognition-in-japan-jpn.pdf

 

 

【まとめ】日本国内のインターナショナル・ボーディングスクール