【シンガポールのインターナショナルスクール】国際バカロレア体験記②

日々子どもの英語学習や国際教育を考える保護者の皆さまから相談を受ける中で、インターナショナルスクールやバカロレアに関するものも多くなってきています。

今回は実際にインターナショナルスクールで国際バカロレア(DP)を取得した先輩の体験記の後半です。


【シンガポールのインターナショナルスクール】国際バカロレア体験記②

シンガポールのインターナショナルスクールで国際バカロレアをとったHanaさん、後編では具体的な学習内容やバカロレアから学んだことについて、聞きました。(前編は「【シンガポールのインターナショナルスクール】国際バカロレア体験記①」

バカロレアで学習した内容

私はSL 数学(Mathematics), SL英文学(English Literature), SLフランス語(French B), HL心理学(Psychology), HL生物学(Biology), HL美術(Visual Arts), を選択していました。

数学では関数、微積分や三角法など様々な数学の学習をしていました。主に、論理的な考え方を身につけることができました。英文学ではウィリアム・シェイクスピアの本や詩を読解し、分析的思考を高めていきました。また、15分以内で10分間のプレゼンテーションを行うこともありました。

第二外国語、フランス語では、リーディング、リスニング、スピーキングを学びました。フランス語でグループディスカッションに取り組み、経済につてのプレゼンテーションなどもしました。心理学では人の考え方、脳の仕組みと行動の繋がりなどを通して、個人で実験を作成しました。生物学では解剖などを行いながら人体解剖学を学び、遺伝学や細胞生物学など様々なトピックを勉強しました。美術ではデジタル、油絵や3Dモデルなど幅広い分野で10〜13作品を2年間で作成しなければなりませんでした。

バカロレアをこれから検討する人へ

IB取得の道のりは困難で、たくさんの努力が必要になることは間違い無いです。私は(CASのアクティビティ)のスポーツに力を入れていましたが、スポーツチームに参加していない学生もたくさんいました。このような学生は、アクティビティの成績を取るには学校以外でスパーバイザーと共に運動をし行ったり、一年に一回ある、山登りの課外授業などに参加していました。例えば私の友人は、チャリティーランに参加したり(CASのサービス、アクティビティ)、学校のミュージカル(CASのサービス、クリエイティビティ)の手伝いに参加をしていました。

彼らは、朝練や放課後の試合などがなかったため、勉強時間もあり、睡眠時間も一日7〜8時間ありました。しかし最後の一年では、皆同じように睡眠時間は削られます。私はIBの1年目では、勉強を全くしていなかったので、2年目では非常に苦労しました。できる限り勉強を先延ばしせず、こつこつと毎日の復習に取り組んでください。

IBはとても難しいプログラムなので、以下のチェックリストを参考にして、IBを取得に向けてがんばれそうか、自分で判断することをおすすめします。

1.中学で平均、または平均以上の結果を取れた
2.英語で難しい勉強に取り組める
3.スケジュール管理ができる
4.世界のことを学ぶ意志がある


繰り返しになりますが、私はIBのハードルの高さを全く分からないまま1年間IBを受け、成績表を見るのが怖いほど点数が低かったです。ですが、2年目非常に頑張って偏差値を上げて、早稲田大学に合格しました。頑張る意志があれば、あなたもIBDPを取得することができます。

バカロレアから学んだこと

私はIBの苦労を経験し、最善を尽くすことによって、不可能なことは何もないと学びました。正直なところ、IBの最初の1年間、勉強に力を入れてませんでした。勉強よりも、部活動やCASに集中したからです。

しかし、私のように勉強に遅れをとればストレスも溜まり、希望の大学に受験することができない(IBDPのポイントが足りなくなる)リスクもあります。

私は、この時点では希望の大学がなかったのですが、一年生を終えた夏休みに早稲田大学を見学しに行きました。早稲田のような名門大学に受験する可能性などないと思いながら、なんとなくキャンパスツアーに参加しました。しかし、早稲田生と話し、キャンパスをまわった後、初めて「この大学に行きたい」と思いました。私の偏差値(PredictedScore)では早稲田を受験する可能性は低かったので、長時間の勉強に専念し、放課後や昼休みには先生に勉強を教わっていました。早稲田大学の受験を希望した私は、偏差値を上げるため、すべての科目で最高点(7)を達成する必要がありました。

私は自分自身を疑うことはなく、全科目に110%の努力を尽くしました。結果的に早稲田大学の推薦 (Unconditional Offer)をいただきました。

IBを検討している方々、あなたは乗り越えられます。努力をすれば何もかも可能であると思います。IBは、困難な受験勉強のコースでありますが、最高の学習経験が得られることができます。決してあきらめず、常に110%の努力をしてください。精神的に辛い時には、友達、家族や先生方に相談することを必ずしましょう。自己管理ができ、IBに献身している限り、目標を達成することは絶対可能です。

 国際バカロレア(DP) を取得後、大学に進学して今思うこと

IBを取得できてとてもうれしいです。達成感、修了感とコースで身につけた様々なスキルは、大学で本当に助かったと思います。大学の授業はもちろん難しいですが、IBを取得したおかげか、今はそれほど苦労していないと思います。

EEとTOKのおかげで、アカデミックペーパーの執筆やプレゼンテーションに取り組むことは、問題ありません。 IBで身に付けた考え方や、社会性は学生時代、大学卒業後でもとても役立ちます。