日々子どもの英語学習や国際教育を考える保護者の皆さまから相談を受ける中で、インターナショナルスクールやバカロレアに関するものも多くなってきています。
今回は実際に東京のアオバジャパン・インターナショナルスクールで国際バカロレア(DP)を取得した先輩の体験記の後半です。
目次
【国内インターナショナルスクール】アオバジャパン・インターナショナルスクールの国際バカロレア体験記②
東京にあるアオバジャパン・インターナショナルスクールで国際バカロレアを取得したAliceさん、後編では具体的な学習内容やバカロレアから学んだことについて、聞きました。(前編は「【国内インターナショナルスクール】アオバの国際バカロレア体験記①」)
バカロレアで学習した内容
私が選んだ科目は、SL Business Management, SL Mathematics, SL Biology, HL Psychology, HL Language and Literature (English), HL Japanese Bです。私の学校は小規模であったため、選べる授業は限られていました。
ビジネス・マネジメントでは、マーケティング、ファイナンス、人材や運用管理などビジネスの基本を学びました。
数学では三角法、関数、代数や微積分など様々な分野を学びました。
生物では、細胞、生態系、人間生理学や遺伝など、あらゆる分野の理科を学び、それらがどう機能するのかを勉強しました。
心理学では、人々の考え方、そして脳のメカニズムと行動の関連性について学びました。また、有名な心理学の実験を再現し、クラスメートに試してみることも行いました。
言語と文学(英語)では、文学作品やその他の作品を、デバイスを用いながら分析する方法を学びました。授業ではよくディスカッションを行い、本やポエム、記事、広告、ポリティカル・アートなど多様な文を分析しました。
Japanese Bは私にとって第二言語の授業でしたが、そこでは日本語でのリスニング、リーディング、ライティングを学びました。授業中に読んだテキストについて、よく仲間と日本語でディスカッションをしました。
バカロレアをこれから検討する人へ
IBコースはコミットメントとたくさんの努力を必要とする、とても難しいプログラムです。
IBコースの教育はハイレベルであり、新しい分野を学びながら常に前の内容を復習する必要があります。IBの2年目では、多くの生徒が一生懸命に夜遅くまで勉強をするため、あまり睡眠時間が取れないのはよくあることです。
生徒は1年目から着実に勉強を進め、やらなければいけないことを先延ばししないことが大切です。2年目にはIAs、EE、TOKや大学入試など他にも優先しなければならないことが多くあるため、遅れを取り戻すのは難しいです。
また、IBは勉強の進みが早く後れを取りやすいため、学校以外の活動に力を入れている人にとっても難しいプログラムかもしれません。
私は姉の過ちから学ぶことができました。姉は一年目に勉強を怠って2年目に大学への出願、CASの活動への参加、IAsやEEの執筆などで忙しい中、勉強にも追いつかなければなりませんでした。私は初めから勉学に集中し、メモをたくさん取ったり復習を常にしたりしながら、1年目からCASの活動にも参加しました。
しかし、パンデミックが起きた際には、これがすべて悪い方向へと向かった時期がありました。私は授業がオンラインになるとモチベーションをなくしてしまいました。オンライン授業の期間はほとんど勉強せず、集中もしませんでした。追いつかなければならない大切な課題が多くあったため、IBの2年目に大きな影響が及びました。
IBコースを受けようと検討している人への私からのアドバイスは、2年間努力し続けるというコミットメントやその難しさについて、しっかりと理解しておくということです。端的に言うと、自身がどのようなプログラムに参加しようとしているのか、しっかりと認識する必要があるということです。
バカロレアから学んだこと
2年間のプログラムを通して、私はあらゆる浮き沈みを経験しました。結果として、私は様々なスキルを身につけることができ、何より「何事も不可能ではない」と知ることができました。
1年目は勉強とCASに遅れずついていくことができ、それは良い成績につながりました。しかし、パンデミックが起きてモチベーションが下がると、満足のいく成績をおさめることはできませんでした。オンライン授業で与えられる課題量の多さや、近づく試験に対してよくストレスを抱えていました。2021年度におけるほとんどのIB生が最終試験を受けないと知った時は、様々な感情を経験しました。しかし、不満を漏らしていても良い成績は取れないと理解していたため、最終試験前の1ヶ月間はたくさん勉強をし、努力を重ねました。私はギリギリの準備で自信がありませんでしたが、最終スコアが公開されるとその結果にとても驚きました。とても安心するとともに、この経験は「何事も不可能ではない」ということを気づかせてくれました。DP1でたくさん努力していたことは最終試験に向けた勉強に追いつくのには有利に働いたものの、ギリギリであったとしても努力をすることで素晴らしい結果につながるということを学びました。
IBコースを受ける自信がない方に向けて、困難は必ず乗り越えることができます。努力をすれば、遅れを取り戻すことは十分に可能です。辛くなった時は必ず友達や家族、先生などに相談してください。厳しい状況にある時も、諦めてはいけません。自分を律し、IBコースに専念している限り、目標を達成することはできると思います。
【まとめ】日本国内のインターナショナル・ボーディングスクール