前の記事で多読の必要性や、読むもの、そのポイントについて書きました。
今回は実際に、多読プログラムをやるときのポイントを、もう少し掘り下げてみます。
▼読む本は子どもが選ぶ
同じ英語学習でも、どうやったらより学習がしやすいか、という視点は持っておきたいです。
大人が子どもが読む本も勝手に選んで強制する場合と、たくさんの本から子どもが好きな本を選ぶ場合、子どもはどちらの方が読む気になるでしょうか。
最初のポイントは、読む本は子どもが選ぶということです。
自分で選択する方が楽しいですし、積極的な行為です。ちょっとしたことでも、本人の意欲や意識に関わるので、自分で選択できるといいですね。
▼どんなに簡単な本からスタートしてもいい
自分の英語レベル以上の難しい本の場合、内容にものすごい興味がある場合を除いて、たくさん読むには辛いと申し上げました。
次のポイントはその子の英語レベルよりはるかにレベルの低い本でも、子どもが選んだ本ならば何でもウェルカムする、ということです。
子どもにせっかく選ばせた本を、このレベルは合わないからダメだと言ってしまったら、それは子どもが選んだとはいえません。
また多読ですので、どんなに簡単な本だったとしても、自信をもって読める、という本を積み重ねていけばいいだけです。
私の経験からいうと、多読を始めるとフォニックスもできてそれなりに読む力のある子どもでも、幼稚園生や1年生が読むような本を選ぶ子どもたちがいます。それでも全く構いません。なんでも好きなものをどんどん読んでいいよ、とやっていると、すごく簡単な本を10冊もすぐ読み終わったころには、逆に簡単な本がつまらないことに気づいて、結局自ら適切なレベルの本を選択するようになっていきます。
選んだ本が、逆に難し過ぎたり、つまらなければ、途中でやめて他の本を選ぶだけですし、それで問題ないことを最初にいってあげることも多読のポイントです。
▼カウントしたりそれを評価して読みやすい環境づくりを
また大人側では、子どもの多読が進むような環境づくりをしてあげることもオススメです。
何を読んだか、何冊読んだかを記録(単語数を記録するというやり方もあります)して、それをわかりやすく「見える化する」だけでも、子どものモチベーションアップにつながったりします。簡単な読書感想文や、子どもからの本の評価もいいかもしれません。
出席シールを貼っていって、皆勤賞には全てのシールが貼られ、周りに評価されるみたいなイメージですね。
多読プログラムの理想は、多読が「宿題でやらなくてはいけないもの」ではなく、「ゲームのように自主的にどんどん進んでいって、やればやるほど自分も楽しく周りも喜ぶもの」になることです。