学校だと集団指導が当然ですが、学校外のお稽古や塾では、色々な選択肢があります。
その選択は家庭ごとでよいと思いますが、「勉強嫌いになるリスク」について大きな差があります。
特にオンラインレッスンや、家庭教師、塾を選択するときに、先生やプログラムの良し悪しは考えると思いますが、どんなレッスン形式なのか、という点も非常に大切な要素です。
目次
勉強嫌いになる可能性が高いレッスン形式を認識する
子どもたちの英語学習という視点で、10年以上子どもたちを見ていますが、一番回答が難しい相談が、「子どもが英語嫌いなのですが、どうしたらいいですか?」です。
人の好き嫌いは強制できません。
英語に限りませんが、一度嫌いになってしまったことが、嫌いにならなくなるということは、簡単なことではありません。
英語学習の一番のリスクは英語嫌い
小学生低中学年など幼い頃に、英語嫌いになってしまうことこそ、一番避けたいことです。
8歳で英語嫌いになった場合、これから十年以上も嫌いなものと毎日向き合わなくてはいけないのです。
色々な指導スタイルを経て個人レッスンに
この話をする前に、私達が個人レッスンを提供していることは、お伝えしておきます。だから個人レッスンを推すのは当然だと思うかもしれませんが、それは話が逆で個人レッスンが最善だと考えいるので、その指導形式を採用しています。
事実YUBU CAMPでも個人レッスンに落ち着くまで、少人数の集団指導、1-3名の個別指導(学習内容とレベルが違う子が同時に同じ先生にみてもらう)をやってきました。よりよいプログラムを求めて、改善を重ねた結果、1on1レッスンに行きつきましたという歴史があります。
集団レッスンは勉強嫌いを構造的に生み出す
集団レッスンはその性質上、集団の真ん中レベルの生徒に向けた指導になる宿命です。
先生の立場からすると、集団のトップに合わせて授業をしては大多数がついてこれませんし、下に合わせて授業をしたら大多数が退屈してしまい、学習ペースも進みません。結局その集団で一番多くの人を救える中間層に向けたレッスンになります。
したがって、中間レベルの生徒にはいいかもしれませんが、それ以下の下半分のレベルの人たちはついていけない、ということになります。
自分が授業についていけなくなったら、どう感じるでしょうか。
最初は頑張ってついていこうとしても、結局ついていけなくなった時に、どうなるでしょうか。特にそれが英語や数学のような積み上げ型の科目学習の場合はどうでしょうか。
わからない状態、成績として評価が悪い状態が続いたら、どう感じるでしょうか。
この状態で勉強嫌い、その科目嫌いになるなという方が難しいのではないでしょうか。
学校の先生の名誉のために言いますが、これは先生の指導内容が悪い訳ではありません。集団指導という仕組み自体が、一定の割合の人がついていけなくなり、結果的に勉強嫌い科目嫌いが生まれる仕組みというだけなのです。
集団レッスンは優秀な子ども達にも悪影響
集団指導では指導の中心は真ん中レベルの子どもたちとなり、指導のフォローは、真ん中レベル以下の子どもにいきます。
この構造は、実は真ん中以上の優秀な子ども達の存在が忘れられている、という形になっています。
成績優秀なので、心配をする必要はないじゃないか。たしかに学校で学ばなければいけない科目の理解、という点ではそれは正しいです。
優秀な子どもたちにとって、授業内容は既知の話であり、学びがほとんどない話です。つまり、優秀な子どもがその授業を受けることは、学習面では時間の無駄なのです。
例えるならば、本当は努力すればオリンピックレベルまでいけるのに、町の草スポーツチームのNo.1に満足している状態です。
トップレベルの子どもは、その集団で優秀な成績をとれるので問題が可視化されにくいですが、実はここにも大きな問題があると考えます。
個人レッスンの最大の特徴はカスタマイズ
個人レッスンの特長は、1人1人の子どもの状態に寄り添える、ということです。
「もっとできそうだし、オリンピックを目指して頑張ろう!」
そう思ったときに、個人指導であれば、どこまでも上を目指すことが可能です。
個人レッスンだからこそ、逆に通常の学習ペースだと早い場合も、その子どもにあったマイペースで学習を進めることも可能です。自分1人のために先生がサポートすることで、集団からおいていかれる感覚には陥りません。
1つ1つ理解のステップを踏むことで、嫌いになる確率は下がります。わからないことを強制的に続けさせられるから嫌いになるのです。
勉強嫌いをできるだけ生み出さないために
学習を始めた初期にたまたまついていけなかったというだけで、「その科目ができない」「自分には向いていない」「どんどんついていけなくてつまらない・嫌い」と思いこんでしまい、それが学生生活で何年も続く子ども達。
たまたま先生との相性が合わなかったり、その子のその時期のタイミングと学習が合っていなかったということだって多々あります。
それなのに一度つまづいたら、その後何年もつまづき続けるような仕組みになっていたら、勉強嫌いになることは当然です。
もちろん、プライベートレッスンでも科目嫌いになるリスクはあります。しかしそれは、集団レッスンの比ではありません。1対1でやっていけば、全然ついていけない、ということがありません。嫌になる理由の根本は「ついていけない・わからない」の積み重ねです。
子どもの数も少なくなり、インターネットというテクノロジーも発達して個人の学びが提供する時代に、インターネット前の前世紀と同様のやり方で、集団で同じものを同じペースで学ぶという行為は、効率が悪いだけでなく、無駄に勉強嫌いを増やしてしまうリスクがあるのです。
補足として、私は集団を否定しているのではなく、集団から学ぶことはたくさんあると考えています。ただし集団で学ぶことと、科目の効率的な学習理解は違う話だという認識です。
★この話はしっかり伝えたいので、動画も制作しています。よろしければ、ご覧になって下さい。