私が子ども達の英語教育に10年以上関わる中で、小学生の英語学習で、親御様からよく頂く質問・疑問に答えていくシリーズです。
これまで10年以上にわたり、たくさんの子ども達の英語学習をサポートして、その成長過程を見守ってきました。色々な知識と現場での経験から、子どものうちに英語を得意にしていきたいと、思う皆さまの力になれるように、回答していきます。
目次
小学生の英語Q&A:英単語学習が苦手です。どうしたらいいでしょうか?
まず、英単語学習は記録の積み重ねであり、裏技があるわけではありません。
しかし、小学生の苦手な英単語記憶で、知っておきたい重要なポイントがあります。
それは英単語の記憶方法以上に、どのタイミングでどう復習するか、です。
実は、忘れることを前提とした学びを進めていくこと、がポイントなのです。
英語レベルが上がるほど単語学習の割合が高くなる
英語を学び始めて、ある程度のレベル(英検でいうと3級程度)になると、単語学習という課題が出てきます。
このレベルになると、単語勉強にそれなりの学習時間を費やす必要が出てくるのです。
言って覚える、書いて覚える、アプリを使って覚えるなど、単語の覚え方は色々あります。
暗記が必要な科目は英語だけではないので、暗記方法自体は漢字学習などで培った、それぞれに覚えやすい型があれば、それを愚直にやることがいいでしょう。
人間は覚えたそばから忘れていく
記憶学習については、エビングハウスの忘却曲線という有名な理論があります。
下記の図で黄色の線に注目してください。
エビングハウスの忘却曲線はプロシアの心理学者、エビングハウスが行った「無意味な綴りを暗記させたあとの保持率」という実験結果であり、再学習による忘却防止の可能性を指摘している。
具体的な調査結果は以下の通りである。
20分後には、42%を忘却し、58%を覚えていた。
1時間後には、56%を忘却し、44%を覚えていた。
1日後には、74%を忘却し、26%を覚えていた。
1週間後には、77%を忘却し、23%を覚えていた。
1ヶ月後、79%を忘却し、21%を覚えていた。
記憶してから1日の間に急激な忘却が起こるが、その後の忘却は緩やかに起こるといわれている。
https://www.recruit-ms.co.jp/glossary/dtl/0000000129/
どの程度忘れていくかは、その人や内容よって違うとは思いますが、ポイントは人は覚えたそばからどんどん忘れていくということです。
1日後に半分も覚えていられない、ということです。
小学生の英単語学習は1時間1回よりも5分12回の単語学習
単語暗記においてよくアドバイスしていることは、この2点です。
1)学習したい単語をまず一通りさらっと見る
2)その後、短い時間でも多頻度で「復習」として繰り返す
覚えてもすぐに忘れてしまうことを前提とするならば、例えば100個の覚えたい単語がある場合、1日1時間×3回で最初の30個の単語を完璧にしていくような形にはしません。
最初は1日もあけたらどんどん忘れてしまうのです。
初日の初回に頑張って、100個の単語を見て、その1時間後にまた確認、さらにもう1,2度短い時間でも、その日のうちに復習をしましょう。
何回も繰り返す時のポイントが、すごく多頻度でやる、ということです。
復習は1日以内より1時間以内、1日1回ではなく短時間複数回行うのです。
学習したそばからどんどん忘れてしまうので、忘れる前のタイミングで復習することで記憶を定着させましょう。
逆にいうと、数日経って多くを忘れてしまうと、忘れたことをまた学び直すことになるので、学習効率が悪いのです。
すぐに忘れるので復習は忘れる前に、何度も多頻度で小さく繰り返す。
こうすることで、自分なりのやり方で記憶の定着を図っていきましょう。